株式会社の機関設計は自由…ではありません。公開会社かどうか、大会社かどうかで、置かなければならない機関が変わります。組み合わせのルールを、条件から逆算して覚えましょう。
まず土台。
すべての株式会社は株主総会と取締役を必ず置くわ。
そのうえで、定款の定めで取締役会・監査役・監査役会・会計参与・会計監査人などを置ける。
自由に選べるなら、全部置かないのが楽じゃん?
そうもいかないの。
2つのキーワードで縛りがかかるわ。公開会社と大会社。
公開会社は、発行する株式の全部または一部について譲渡制限を設けていない会社ですね。
上場しているかどうかとは関係がない。
そこ、毎年のように狙われるわ。
1種類でも譲渡自由な株式があれば公開会社。
上場企業という意味ではないのよ。
うぅ〜ん、大会社は…大きい会社ってことだよね? どのくらい大きいと大会社なのぉ?
大会社は、最終事業年度の貸借対照表で資本金が5億円以上、または負債の合計額が200億円以上の会社。
どちらか一方を満たせば大会社よ。
5億と200億…数字が大きすぎてピンとこないけど、覚えるしかないね。
ここは絶対に落とせないわ。
さて、ルールを並べるわね。
①公開会社は取締役会が必置。
②取締役会設置会社は原則として監査役が必要。
②には例外がありますね。
公開会社でない会計参与設置会社、監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社は監査役が不要です。
そのとおり。
③すべての大会社に会計監査人が必要。
さらに公開会社である大会社は監査役会も必要になるわ。
ということは…公開会社でない大会社は、会計監査人だけでいいの?
そう。
監査役会までは求められないの。
よく整理できているわね。
監査役についても確認させてください。
監査の範囲を会計に限定できる場合があると聞きました。
公開会社でない会社(監査役会設置会社・会計監査人設置会社を除く)なら、定款で監査の範囲を会計に関するものに限定できるわ。
監査役会は3人以上で、その半数以上が社外監査役、かつ常勤の監査役を置く必要があるの。
監査等委員会設置会社って名前も聞くけど、監査役とは何がちがうの?
監査等委員会設置会社では、監査を担うのが取締役なの。
監査等委員会は取締役3人以上で、その過半数が社外取締役。
監査役は置けず、会計監査人は必置よ。
指名委員会等設置会社は、指名・監査・報酬の3つの委員会を置き、業務執行は執行役が担うのでしたね。
ええ。
各委員会は取締役3人以上で過半数が社外取締役。執行役が必置で、報酬委員会が個人別の報酬を決めるの。
経営と監督を切り分けるモデルよ。
確認クイズ
株式会社の機関設計に関する記述として、妥当なものはどれか。
- 公開会社は、取締役会を置かなければならない。
- 大会社は、公開会社であるかどうかにかかわらず、必ず監査役会を置かなければならない。
- 監査等委員会設置会社は、監査役を置かなければならない。
- 資本金の額が1億円以上、または負債の合計額が100億円以上の株式会社を大会社という。
こたえを見る
正解: 1. 公開会社は、取締役会を置かなければならない。
選択肢1が正しい。公開会社は取締役会を置かなければならない。選択肢2は誤り。監査役会が必置となるのは公開会社である大会社であり、公開会社でない大会社は会計監査人を置けば足りる。選択肢3は誤り。監査等委員会設置会社は監査役を置くことができない。選択肢4は誤り。大会社の基準は資本金5億円以上または負債総額200億円以上である。