商法・会社法は行政書士試験で5問(20点)。まずは「商法とは何か」から。誰が商人で、どの行為が商行為なのかが決まらないと、そもそも商法が使えません。民法との適用順序もあわせて確認しましょう。
先生、民法をあれだけやったのに、まだ商法があるの? えーっ! なんで別の法律が要るの?
いい入り口ね。
商売はスピードと反復が命でしょう。
だから一般法である民法の特別ルールとして商法が置かれているの。
適用の順序に決まりはありますか。
特別法優先だとすると、商法が先に来るはずですが。
そのとおり。
商事について商法に定めがなければ商慣習、それもなければ民法。
つまり商法 → 商慣習 → 民法の順ね。
商慣習が民法より先に来るのがポイント。
うぅ〜ん、じゃあ…誰が「商人」なのかは、どうやって決まるのぉ?
自己の名をもって商行為をすることを業とする者、これが固有の商人。
行為の側から人を決める仕組みなの。
先生、そこは例外処理はありますか。
八百屋さんは仕入れて売っているから商行為ですが、農家が自分の作った野菜を店舗で売る場合は仕入れがありませんよね。
鋭いわ。
そこで店舗その他これに類似する設備によって物品を販売することを業とする者や、鉱業を営む者を擬制商人として商人に取り込んでいるの。
商行為のほうも種類があるって聞いたよ。
ラケット買って売る、みたいな話?
3つに分けて覚えて。
①安く仕入れて高く売る投機購買、投機売却、取引所での取引、手形などの商業証券に関する行為は、誰がやっても商行為。
これが絶対的商行為。
②運送、賃貸、製造加工の引受け、銀行取引、保険、仲立ちなどは、営業として反復継続してはじめて商行為。
これが営業的商行為。
③は、商人が営業のためにする行為ですね。
開業資金の借入れや店舗の賃借がこれに当たる、と。
ええ、附属的商行為。
そして商人の行為は営業のためにするものと推定される。
この推定規定が択一でよく問われるわ。
ましろ、わかった気がする…! 「行為」から「人」が決まって、その「人」の行為がまた商行為になる。
ぐるっと回ってるんだね。
その循環をつかめたなら上出来よ。
会社は事業としてする行為も事業のためにする行為も商行為とされるから、会社は当然に商人になる、という点も押さえて。
確認クイズ
商人および商行為に関する記述として、妥当なものはどれか。
- 商人がその営業のためにする行為は附属的商行為であり、商人の行為は営業のためにするものと推定される。
- 投機購買およびその実行行為は、営業として行う場合に限り商行為となる営業的商行為である。
- 自己の名をもって商行為をすることを業とする者を、擬制商人という。
- 商事に関し商法に定めがない事項については、商慣習より先に民法が適用される。
こたえを見る
正解: 1. 商人がその営業のためにする行為は附属的商行為であり、商人の行為は営業のためにするものと推定される。
選択肢1が正しい。商人が営業のためにする行為は附属的商行為であり、商人の行為は営業のためにするものと推定される。選択肢2は誤り。投機購買およびその実行行為は絶対的商行為であり、誰が行っても商行為となる。選択肢3は誤り。自己の名をもって商行為をすることを業とする者は固有の商人であり、擬制商人は店舗設備による物品販売業者や鉱業を営む者を指す。選択肢4は誤り。適用順序は商法 → 商慣習 → 民法であり、商慣習が民法に優先する。