会社を実際に動かすのは取締役です。誰がどう選ばれ、どこまで決められるのか。取締役会の決議要件と、代表取締役をめぐる外観保護のルールを押さえます。
取締役は株主総会の普通決議で選任するわ。
取締役会設置会社では3人以上必要。
取締役会を置かない会社なら1人でもいいの。
解任は? 気に入らなければクビにできるの?
できるわ。
しかも普通決議でいつでも。
理由も要らないの。
ただし正当な理由なく解任された取締役は、会社に損害賠償を請求できるわ。
選任も解任も普通決議で対称ですね。
ただし監査役の解任は特別決議。
ここは混同しやすいところです。
そこを自分で拾えるのは強いわね。
監査役は独立性を守る必要があるから、解任のハードルが高いの。
うぅ〜ん、任期はどのくらいなのぉ?
原則、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで。公開会社でない会社なら、定款で10年まで伸ばせるわ。
監査役は原則4年、非公開会社なら定款で10年まで。
短縮はできませんね。
そのとおり。
次に取締役会。
権限は3つ。
①業務執行の決定 ②取締役の職務執行の監督 ③代表取締役の選定および解職。
全部を取締役会でいちいち決めるの? それだと会議ばっかりじゃん?
だから日常業務は代表取締役に委ねられるの。
ただし重要な財産の処分および譲受け、多額の借財、支配人その他の重要な使用人の選任・解任、支店の設置などは、取締役に委任できないわ。
決議要件を確認させてください。取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数が出席し、その過半数で成立、でよいですか。
正確よ。
ここで大事なのは2点。特別の利害関係を有する取締役は議決に加われないこと。
そして代理人による議決権行使は認められないこと。
それって…取締役は「その人だから選ばれた」ということ?
ましろさん、そこを言い当てるのがすごいわ。
取締役の職務は個人の信頼に基づくもの。
だから代理は許されないの。
招集通知は原則、会日の1週間前までで、書面である必要もないわ。
株主総会は2週間前で書面、取締役会は1週間前で口頭でもOK。
差がおもしろいね。
最後に表見代表取締役。
社長、副社長など会社を代表する権限があると認められる名称を付した取締役の行為について、会社は善意の第三者に責任を負うわ。
判例は重過失ある第三者は保護しないとしているの。
確認クイズ
取締役および取締役会に関する記述として、妥当なものはどれか。
- 取締役の解任は、株主総会の特別決議によらなければならない。
- 取締役会の決議について特別の利害関係を有する取締役は、その議決に加わることができない。
- 取締役は、代理人によって取締役会における議決権を行使することができる。
- 取締役会の招集通知は、会日の2週間前までに書面で発しなければならない。
こたえを見る
正解: 2. 取締役会の決議について特別の利害関係を有する取締役は、その議決に加わることができない。
選択肢2が正しい。特別の利害関係を有する取締役は取締役会の議決に加わることができない。選択肢1は誤り。取締役の解任は原則として株主総会の普通決議による(特別決議が必要なのは監査役の解任など)。選択肢3は誤り。取締役の職務は個人的信頼に基づくため、議決権の代理行使は認められない。選択肢4は誤り。取締役会の招集通知は原則として会日の1週間前までに発すればよく、書面である必要もない。