債権譲渡と債務引受 - 対抗要件・譲渡制限特約・将来債権

債権譲渡の債務者・第三者対抗要件と二重譲渡の処理、譲渡制限特約でも譲渡有効、将来債権譲渡、併存的・免責的債務引受を整理します。

編集・検証: 行政書士スタディ編集部 公式情報: 一般財団法人 行政書士試験研究センター 制作・検証方針

債権は財産ですから、他人に譲り渡せます。ただし『二重譲渡』が起きたとき、誰が勝つのか。対抗要件のルールと、譲渡を禁じる特約の効力、将来債権の譲渡、さらに債務を引き受ける制度までを整理します。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

先生、債権譲渡の対抗要件について確認したいのですが、債務者に対する対抗要件と、第三者に対する対抗要件は別なのですよね?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そのとおり、つむぎさん。債権譲渡では、債務者への対抗要件は、譲渡人から債務者への通知か、債務者の承諾(467条1項)。
これで債務者に『新しい債権者はこの人ですよ』と主張できるの。

戸倉 ジャスミン(普段) 戸倉 ジャスミン

じゃあ、同じ債権が二人に売られちゃったら? どっちが本物の債権者なの?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

それを決めるのが第三者対抗要件よ。確定日付ある証書による通知または承諾が必要なの(467条2項)。
内容証明郵便が典型ね。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

二重譲渡で双方が確定日付ある通知を備えた場合は、通知が債務者に到達した日時の先後で優劣を決める、という判例ですね。

香月 リサ 先生(笑顔) 香月 リサ 先生

よく勉強しているわね。
到達時説よ。
確定日付の日付の先後ではなく、到達の先後で決まる点が引っかけどころ。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

契約で『この債権は譲っちゃダメ』って決めてたら、譲渡は無効になるのぉ?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そこが大きな改正点。譲渡制限特約があっても、譲渡自体は有効なの(466条2項)。
旧法と逆になったわ。
ただし、悪意・重過失の譲受人には、債務者は履行を拒み、譲渡人への弁済等を対抗できる(466条3項)。

戸倉 ジャスミン(びっくり) 戸倉 ジャスミン

えっ、禁止特約があっても譲渡できちゃうの? マジで!?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そうなの。
取引の安全のためね。
さらに、まだ発生していない将来債権も譲渡できると明文化された(466条の6)。
将来の売掛金をまとめて譲渡する資金調達に使われるわ。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

債務者を交代させる債務引受も条文化されましたね。
併存的債務引受と免責的債務引受の2つ。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

ええ。併存的債務引受は元の債務者も残って連帯債務のようになる(470条)。免責的債務引受は元の債務者が抜けて引受人だけが負う(472条)。
免責的の場合、原則として担保や保証は移らない点に注意よ。

雪村 ましろ(笑顔) 雪村 ましろ

併存は増える、免責は入れ替わる……えへへ、漢字のとおりなのぉ。

確認クイズ

債権譲渡に関する記述として、妥当なものはどれか。

  1. 譲渡制限の意思表示がされた債権を譲渡した場合、その譲渡は無効となる
  2. 債権が二重に譲渡され、いずれも確定日付ある証書による通知がされたときは、通知が債務者に到達した日時の先後によって優劣を決する
  3. 現に発生していない将来の債権は、譲渡の対象とすることができない
  4. 債務者に対する対抗要件を備えるには、確定日付ある証書による通知が必要である
こたえを見る

正解: 2. 債権が二重に譲渡され、いずれも確定日付ある証書による通知がされたときは、通知が債務者に到達した日時の先後によって優劣を決する

選択肢2が正しい。判例によれば、確定日付ある通知が競合する二重譲渡では、通知が債務者に到達した日時の先後で優劣を決する。選択肢1は誤り。譲渡制限特約があっても譲渡自体は有効である(466条2項)。選択肢3は誤り。将来債権も譲渡できる(466条の6)。選択肢4は誤り。債務者対抗要件は通知または承諾で足り、確定日付は第三者対抗要件の要素である(467条)。

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