意思表示① 心裡留保と通謀虚偽表示 - 94条2項の第三者と類推適用

93条・94条の基本から、94条2項の善意の第三者保護、そして虚偽の外観をめぐる94条2項類推適用まで。

編集・検証: 行政書士スタディ編集部 公式情報: 一般財団法人 行政書士試験研究センター 制作・検証方針

「本気じゃなかった」「二人でグルになって嘘の契約をした」――こうした意思と表示が食い違う場面を、民法93条・94条が扱います。とくに94条2項の第三者保護と類推適用は、記述・択一の超頻出です。

戸倉 ジャスミン(びっくり) 戸倉 ジャスミン

先生、冗談で『この時計あげるよ』って言っちゃったら、本当にあげなきゃいけないの?

香月 リサ 先生(笑顔) 香月 リサ 先生

それが心裡留保よ。
表意者が本心でないと知りながらする意思表示。
原則は有効なの。
冗談でも相手は本気にするからね。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

ただし、相手方が表意者の真意を知り、または知ることができたとき(悪意・有過失)は無効になりますよね。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そのとおり。
93条1項ただし書ね。
そして、その無効は善意の第三者には対抗できない、と2項が定めているわ。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

うぅ〜ん、じゃあ二人で示し合わせて嘘の契約をしたときは?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

それが通謀虚偽表示、94条ね。
相手方と通じてした虚偽の意思表示は無効。
たとえば債権者から財産を隠すため、友人名義に売ったことにする、というような場合よ。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

でも、その虚偽の外観を信じて取引に入った94条2項の第三者は保護されます。
『善意の第三者に対抗することができない』と。

戸倉 ジャスミン(普段) 戸倉 ジャスミン

要は、嘘の見た目を作った本人が悪いんだから、それを信じちゃった人を守る、ってこと?

香月 リサ 先生(笑顔) 香月 リサ 先生

ジャスミンさん、まさにその発想。
虚偽の外観を作り出した者は、それを信頼した第三者に文句を言えない。
ここでの第三者は善意で足り、無過失までは必要ないとされているわ。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

この考え方を、通謀がない場合にも広げたのが94条2項類推適用ですね。
真の権利者が虚偽の外観の作出に関与し、第三者がそれを信頼した場合に、権利者は権利を失う。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そう。
判例は、本人の帰責性と第三者の信頼保護を天秤にかけて、94条2項を類推適用してきたわ。
登記名義を他人に与えたまま放置した事案などが典型ね。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

…外観を作った責任って、意外と重いんだね。

確認クイズ

心裡留保・通謀虚偽表示に関する記述として、妥当なものはどれか。

  1. 心裡留保による意思表示は、相手方が真意でないことを知っていた場合でも常に有効である
  2. 通謀虚偽表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない
  3. 94条2項の第三者として保護されるためには、善意かつ無過失であることを要する
  4. 真の権利者に帰責性があっても、通謀がない以上、94条2項が類推適用される余地はない
こたえを見る

正解: 2. 通謀虚偽表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない

選択肢2が正しい(民法94条2項)。選択肢1は誤り。相手方が悪意・有過失なら無効となる(93条1項ただし書)。選択肢3は誤り。94条2項の第三者は善意で足り、無過失までは要求されないと解されている。選択肢4は誤り。判例は本人の帰責性と第三者の信頼を要件に94条2項の類推適用を認めている。

香月リサ先生、深見つむぎ、雪村ましろ、戸倉ジャスミンが文化祭のカフェ準備を楽しむ様子

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