債権者や債務者が複数いる場面。誰がいくら負担し、一人に生じた事情が他の人にどう影響するのか。分割債務・連帯債務・不可分債務・連帯債権を、絶対的効力事由と相対的効力の区別を軸に整理します。
先生、3人でお金借りたら、あたし一人で全額払わされることってあるの?
それは債務の性質しだいよ。
原則は分割債務(427条)。
3人なら各自3分の1ずつ。
でも連帯の特約や法律の規定があれば話は変わるの。
連帯債務では、債権者は各債務者に対して全額を請求できるのですよね。
誰か一人が全額弁済すれば、他の債務者との間で求償の問題が生じる。
そう、連帯債務の醍醐味ね(436条)。
ここで大事なのが、一人に生じた事由が他に影響するかどうか。
影響するのが絶対的効力、しないのが相対的効力よ。
うぅ〜ん、どれが絶対でどれが相対か、こんがらがるのぉ。
改正で整理されたわ。
絶対的効力があるのは、弁済のほか、更改(438条)、相殺(439条)、混同(440条)。
この3つ+弁済系を押さえて。
重要なのは、旧法で絶対的効力だった請求・免除・時効の完成が、現行法では原則として相対的効力に変わった点ですね(441条)。
つむぎさん、そこがまさに頻出改正点。
だから連帯債務者の一人に履行を請求しても、他の債務者に対して時効の完成猶予は生じないのが原則。
ただし当事者の別段の意思表示があれば別よ。
じゃあ相殺は? 誰かが相殺できるのに使わなかったら、あたしはどうすればいいの?
連帯債務者の一人が債権者に反対債権を持つとき、その人が相殺しない間は、他の債務者はその負担部分の限度で履行を拒める(439条2項)。
全部相殺できるわけではないのがコツよ。
分けられない給付……車を1台引き渡すみたいなのは?
それが不可分債務(430条)。
性質上分けられない給付は、連帯債務の規定を準用するの。
逆に債権者が複数で給付が不可分なら不可分債権、可分で連帯特約があれば連帯債権(432条)ね。
よっしゃ、絶対効は更改・相殺・混同、請求と免除と時効は相対効! これで整理できた!
確認クイズ
連帯債務に関する記述として、妥当なものはどれか。
- 連帯債務者の一人に対する履行の請求は、原則として他の連帯債務者に対しても効力を生じる
- 連帯債務者の一人と債権者との間に混同が生じても、他の連帯債務者には影響しない
- 連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合、その債務者が相殺しない間、他の債務者はその負担部分の限度で履行を拒むことができる
- 連帯債務者の一人について時効が完成すると、他の連帯債務者の債務も当然に消滅する
こたえを見る
正解: 3. 連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合、その債務者が相殺しない間、他の債務者はその負担部分の限度で履行を拒むことができる
選択肢3が正しい。439条2項のとおり、反対債権を持つ連帯債務者が相殺しない間、他の債務者は負担部分の限度で履行を拒める。選択肢1は誤り。現行法では履行の請求は原則として相対的効力にとどまる(441条)。選択肢2は誤り。混同は絶対的効力事由であり、弁済したものとみなされる(440条)。選択肢4は誤り。時効の完成も原則として相対的効力であり、他の債務者の債務は消滅しない(441条)。