多数当事者の債権債務 - 連帯債務の絶対効と相対効

分割債務が原則。連帯債務の絶対的効力事由(更改・相殺・混同)と、改正で相対効化した請求・免除・時効、不可分債務・連帯債権を整理します。

編集・検証: 行政書士スタディ編集部 公式情報: 一般財団法人 行政書士試験研究センター 制作・検証方針

債権者や債務者が複数いる場面。誰がいくら負担し、一人に生じた事情が他の人にどう影響するのか。分割債務・連帯債務・不可分債務・連帯債権を、絶対的効力事由と相対的効力の区別を軸に整理します。

戸倉 ジャスミン(普段) 戸倉 ジャスミン

先生、3人でお金借りたら、あたし一人で全額払わされることってあるの?

香月 リサ 先生(笑顔) 香月 リサ 先生

それは債務の性質しだいよ。
原則は分割債務(427条)。
3人なら各自3分の1ずつ。
でも連帯の特約や法律の規定があれば話は変わるの。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

連帯債務では、債権者は各債務者に対して全額を請求できるのですよね。
誰か一人が全額弁済すれば、他の債務者との間で求償の問題が生じる。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そう、連帯債務の醍醐味ね(436条)。
ここで大事なのが、一人に生じた事由が他に影響するかどうか。
影響するのが絶対的効力、しないのが相対的効力よ。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

うぅ〜ん、どれが絶対でどれが相対か、こんがらがるのぉ。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

改正で整理されたわ。
絶対的効力があるのは、弁済のほか、更改(438条)、相殺(439条)、混同(440条)。
この3つ+弁済系を押さえて。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

重要なのは、旧法で絶対的効力だった請求・免除・時効の完成が、現行法では原則として相対的効力に変わった点ですね(441条)。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

つむぎさん、そこがまさに頻出改正点。
だから連帯債務者の一人に履行を請求しても、他の債務者に対して時効の完成猶予は生じないのが原則。
ただし当事者の別段の意思表示があれば別よ。

戸倉 ジャスミン(普段) 戸倉 ジャスミン

じゃあ相殺は? 誰かが相殺できるのに使わなかったら、あたしはどうすればいいの?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

連帯債務者の一人が債権者に反対債権を持つとき、その人が相殺しない間は、他の債務者はその負担部分の限度で履行を拒める(439条2項)。
全部相殺できるわけではないのがコツよ。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

分けられない給付……車を1台引き渡すみたいなのは?

香月 リサ 先生(笑顔) 香月 リサ 先生

それが不可分債務(430条)。
性質上分けられない給付は、連帯債務の規定を準用するの。
逆に債権者が複数で給付が不可分なら不可分債権、可分で連帯特約があれば連帯債権(432条)ね。

戸倉 ジャスミン(笑い) 戸倉 ジャスミン

よっしゃ、絶対効は更改・相殺・混同、請求と免除と時効は相対効! これで整理できた!

確認クイズ

連帯債務に関する記述として、妥当なものはどれか。

  1. 連帯債務者の一人に対する履行の請求は、原則として他の連帯債務者に対しても効力を生じる
  2. 連帯債務者の一人と債権者との間に混同が生じても、他の連帯債務者には影響しない
  3. 連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合、その債務者が相殺しない間、他の債務者はその負担部分の限度で履行を拒むことができる
  4. 連帯債務者の一人について時効が完成すると、他の連帯債務者の債務も当然に消滅する
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正解: 3. 連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有する場合、その債務者が相殺しない間、他の債務者はその負担部分の限度で履行を拒むことができる

選択肢3が正しい。439条2項のとおり、反対債権を持つ連帯債務者が相殺しない間、他の債務者は負担部分の限度で履行を拒める。選択肢1は誤り。現行法では履行の請求は原則として相対的効力にとどまる(441条)。選択肢2は誤り。混同は絶対的効力事由であり、弁済したものとみなされる(440条)。選択肢4は誤り。時効の完成も原則として相対的効力であり、他の債務者の債務は消滅しない(441条)。

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