用益物権 - 地上権・永小作権・地役権・入会権と賃借権の違い

他人の土地を利用する4つの用益物権。地上権と賃借権の物権・債権の差、地役権の付従性まで対比で整理。

編集・検証: 行政書士スタディ編集部 公式情報: 一般財団法人 行政書士試験研究センター 制作・検証方針

他人の土地を利用する物権が用益物権です。地上権・永小作権・地役権・入会権の4つ。とくに地上権と、債権である賃借権の違いは頻出です。両者の対比で押さえましょう。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

先生、用益物権は他人の土地を『使う』ための物権ですね。
4種類あると学びました。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そのとおり、つむぎさん。地上権・永小作権・地役権・入会権の4つ。
まず地上権は、工作物や竹木を所有するために他人の土地を使う物権よ。

戸倉 ジャスミン(普段) 戸倉 ジャスミン

土地を借りるって、賃貸と何が違うの? 家を借りるのと同じじゃないの?

香月 リサ 先生(笑顔) 香月 リサ 先生

いいところを突くわね。
地上権は『物権』、賃借権は『債権』。
ここが決定的に違うの。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

物権である地上権は、土地所有者の承諾なく譲渡・転貸ができ、登記請求権もあります。
一方、賃借権の譲渡・転貸には原則として賃貸人の承諾が必要ですね。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

そう。
地上権者は自ら登記を求められるけれど、賃借人には原則として登記請求権がない。
強さがまるで違うのよ。

雪村 ましろ(普段) 雪村 ましろ

うぅ〜ん、永小作権や地役権は、どんなものなのぉ?

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

永小作権は、小作料を払って他人の土地で耕作・牧畜をする物権。地役権は、自分の土地(要役地)の便益のために他人の土地(承役地)を使う物権よ。
通行地役権が代表例ね。

深見 つむぎ(普段) 深見 つむぎ

地役権は、要役地の所有権とともに移転し、要役地から分離して単独で譲渡することはできない(付従性・随伴性)という性質がありますね。

香月 リサ 先生(普段) 香月 リサ 先生

よく整理できているわ。
最後の入会権は、村落など一定の地域住民が山林などを共同利用する慣習上の権利。
各地方の慣習に従う、とされている点が特徴よ。

戸倉 ジャスミン(普段) 戸倉 ジャスミン

要は、地上権はほぼ持ち主なみに強くて、賃借権は持ち主にお伺いを立てる、ってイメージ?

香月 リサ 先生(笑顔) 香月 リサ 先生

ジャスミンさん、感覚がつかめているわね。
物権か債権か――その一点が、権利の強さを大きく分けるのよ。

確認クイズ

用益物権に関する記述として、妥当なものはどれか。

  1. 地上権は債権であり、土地所有者の承諾がなければ譲渡することができない
  2. 地役権は、要役地から分離して、これを単独で譲渡することができる
  3. 地上権者は、土地所有者に対して地上権設定登記手続を請求することができる
  4. 入会権は、民法の規定のみによって画一的に規律され、地方の慣習は考慮されない
こたえを見る

正解: 3. 地上権者は、土地所有者に対して地上権設定登記手続を請求することができる

選択肢3が正しい。物権である地上権には登記請求権が認められる。選択肢1は誤り。地上権は物権であり、原則として所有者の承諾なく譲渡できる。選択肢2は誤り。地役権は要役地に随伴し、分離して単独譲渡はできない。選択肢4は誤り。入会権は各地方の慣習に従うとされている。

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