他人の土地を利用する物権が用益物権です。地上権・永小作権・地役権・入会権の4つ。とくに地上権と、債権である賃借権の違いは頻出です。両者の対比で押さえましょう。
先生、用益物権は他人の土地を『使う』ための物権ですね。
4種類あると学びました。
そのとおり、つむぎさん。地上権・永小作権・地役権・入会権の4つ。
まず地上権は、工作物や竹木を所有するために他人の土地を使う物権よ。
土地を借りるって、賃貸と何が違うの? 家を借りるのと同じじゃないの?
いいところを突くわね。
地上権は『物権』、賃借権は『債権』。
ここが決定的に違うの。
物権である地上権は、土地所有者の承諾なく譲渡・転貸ができ、登記請求権もあります。
一方、賃借権の譲渡・転貸には原則として賃貸人の承諾が必要ですね。
そう。
地上権者は自ら登記を求められるけれど、賃借人には原則として登記請求権がない。
強さがまるで違うのよ。
うぅ〜ん、永小作権や地役権は、どんなものなのぉ?
永小作権は、小作料を払って他人の土地で耕作・牧畜をする物権。地役権は、自分の土地(要役地)の便益のために他人の土地(承役地)を使う物権よ。
通行地役権が代表例ね。
地役権は、要役地の所有権とともに移転し、要役地から分離して単独で譲渡することはできない(付従性・随伴性)という性質がありますね。
よく整理できているわ。
最後の入会権は、村落など一定の地域住民が山林などを共同利用する慣習上の権利。
各地方の慣習に従う、とされている点が特徴よ。
要は、地上権はほぼ持ち主なみに強くて、賃借権は持ち主にお伺いを立てる、ってイメージ?
ジャスミンさん、感覚がつかめているわね。
物権か債権か――その一点が、権利の強さを大きく分けるのよ。
確認クイズ
用益物権に関する記述として、妥当なものはどれか。
- 地上権は債権であり、土地所有者の承諾がなければ譲渡することができない
- 地役権は、要役地から分離して、これを単独で譲渡することができる
- 地上権者は、土地所有者に対して地上権設定登記手続を請求することができる
- 入会権は、民法の規定のみによって画一的に規律され、地方の慣習は考慮されない
こたえを見る
正解: 3. 地上権者は、土地所有者に対して地上権設定登記手続を請求することができる
選択肢3が正しい。物権である地上権には登記請求権が認められる。選択肢1は誤り。地上権は物権であり、原則として所有者の承諾なく譲渡できる。選択肢2は誤り。地役権は要役地に随伴し、分離して単独譲渡はできない。選択肢4は誤り。入会権は各地方の慣習に従うとされている。