時効総論の次は、具体的な年数です。取得時効の10年/20年、債権の消滅時効5年/10年、そして人の生命・身体の侵害という特則。数字が命の分野なので、要件とセットで正確に覚えましょう。
先生、他人の土地でも、ずっと使ってると自分のものになるって本当?
条件つきで本当よ。
それが取得時効。
所有の意思をもって、平穏かつ公然と物を占有し続けると、所有権を取得できるの。
期間は占有開始時の主観で分かれますね。
占有の開始時に善意無過失なら10年、そうでなければ20年。
そのとおり。
善意無過失は占有の『開始時』に判断すれば足り、途中で悪意になっても10年のままよ。
ここは引っかけやすいわ。
うぅ〜ん、逆に、権利が消えちゃう時効もあるんだよね?
消滅時効ね。
債権は、権利を行使できることを知った時(主観的起算点)から5年、または権利を行使できる時(客観的起算点)から10年のいずれか早い方で時効消滅するの(166条1項)。
改正で、職業別短期消滅時効が廃止され、原則5年/10年に一本化されたのが大きな変更点ですね。
よく勉強しているわね。
そして例外として重要なのが、人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権よ。
それは特別扱いなの?
ええ。人の生命身体の侵害の特則。
債務不履行でも不法行為でも、被害者保護のため期間が長く設定されているの。
とくに客観的起算点からの期間が20年に伸長されているのがポイントよ。
不法行為の消滅時効は、損害および加害者を知った時から3年(生命・身体侵害は5年)、不法行為の時から20年、という枠組みでしたね。
整理が正確ね。
所有権そのものは消滅時効にかからない、という原則もあわせて押さえておきましょう。
確認クイズ
取得時効・消滅時効に関する記述として、妥当なものはどれか。
- 所有権の取得時効は、占有開始時に善意無過失であっても常に20年の占有を要する
- 占有開始時に善意無過失であれば、その後に悪意となっても10年で取得時効が完成しうる
- 改正民法は、債権について職業別の短期消滅時効を存置している
- 所有権は、20年間行使しないと消滅時効にかかる
こたえを見る
正解: 2. 占有開始時に善意無過失であれば、その後に悪意となっても10年で取得時効が完成しうる
選択肢2が正しい。善意無過失は占有開始時に判断され、途中で悪意になっても10年で足りる。選択肢1は誤り。善意無過失なら10年で完成しうる。選択肢3は誤り。改正で職業別短期消滅時効は廃止され5年/10年に一本化された。選択肢4は誤り。所有権は消滅時効にかからない。