「無効」と「取消し」は似て非なるものです。ここを混同すると総則全体が崩れます。あわせて、契約に付ける条件・期限、そして期間計算のルールを、択一で問われる形で整理します。
先生、無効と取消しって、結局どう違うの? どっちも『なかったこと』にするんじゃないの?
似ているけれど別物よ。無効は初めから当然に効力がないこと。
誰でも主張でき、時の経過で有効になったりしないの。
一方取消しは、取り消されるまでは一応有効。
取消権者が取り消して初めて、はじめにさかのぼって無効になるの。
取り消すことができる行為は、追認によって確定的に有効にもできますね。
追認すると、以後取り消せなくなる。
そう。
しかも、一定の事実があると追認したものとみなされる法定追認もあるわ。
取消権者が全部・一部の履行をした、履行の請求をした、などの行為ね。
うぅ〜ん、取り消せる期間って、ずっと残るのぉ?
いいえ。取消権の期間制限があるの。
追認をすることができる時から5年、または行為の時から20年を経過すると、取消権は消滅するわ。
続けて、契約の効力を将来の出来事にかからせる仕組みも整理したいです。
それが条件と期限ね。
条件は『成否が不確実な事実』にかからせるもの。
停止条件は成就で効力が生じ、解除条件は成就で効力が消滅するの。
期限は?
期限は『到来が確実な事実』。
『来月1日から』のように確定期限もあれば、『雨が降ったら』ではなく『人が死んだら』のように、いつかは確実だが時期不確定の不確定期限もあるわ。
期限は原則として債務者の利益のために定めたものと推定されるの。
最後に期間の計算ですね。
日・週・月・年で定めたときは、原則として初日を算入せず(初日不算入)、翌日から起算します。
そのとおり。
期間の末日が日曜・祝日等で取引をしない慣習があるときは、その翌日が満了点になるわ。
細かいけれど問われるところよ。
確認クイズ
無効・取消し・期間に関する記述として、妥当なものはどれか。
- 取り消すことができる行為の取消権は、追認をすることができる時から5年、行為の時から20年で消滅する
- 無効な行為は、当事者が追認すれば行為の時にさかのぼって当然に有効となる
- 停止条件付法律行為は、条件が成就した時にその効力を失う
- 期間を日で定めたときは、原則として初日を算入して起算する
こたえを見る
正解: 1. 取り消すことができる行為の取消権は、追認をすることができる時から5年、行為の時から20年で消滅する
選択肢1が正しい(民法126条)。選択肢2は誤り。無効行為の追認は、原則として新たな行為をしたものとみなされ、遡及効はない。選択肢3は誤り。停止条件は成就により効力が生じる(効力を失うのは解除条件)。選択肢4は誤り。期間は原則として初日不算入で、翌日から起算する。