代理は、他人がした法律行為の効果を本人に帰属させる制度です。誰のためにするのかを示す顕名、代理権の範囲、そして自己契約・双方代理・代理権濫用・復代理まで、基本骨格を通しで確認します。
先生、そもそも代理って、なんで他人のした契約が自分のものになるのぉ?
いい問いね、ましろちゃん。代理が成立するには3つの要素が要るの。
①代理権があること、②本人のためにすると示すこと、③代理人が意思表示をすること。
この3つがそろうと、効果が本人に帰属するのよ。
②が顕名ですね。
『本人のためにすることを示す』。
示さなかった場合は、代理人自身のためにしたものとみなされます。
そう。
ただし、相手方が『本人のためだ』と知り、または知ることができたときは、本人に効果が帰属するわ(100条ただし書)。
代理権があっても、なんでもできるわけじゃないよね?
そのとおり。代理権の範囲が定まっていないときは、保存行為や、性質を変えない範囲の利用・改良行為に限られるの(103条)。
勝手に処分まではできない。
利益相反になる自己契約・双方代理は原則禁止ですよね。
代理人が相手方になったり、双方の代理人を兼ねたり。
ええ。
自己契約・双方代理は原則、無権代理行為とみなされる。
ただし本人があらかじめ許諾した行為や、単なる債務の履行はしてよいわ。
代理人が自分の得のために代理権を使ったら?
それが代理権の濫用。
改正で明文化されて、相手方が代理人の目的を知り・知ることができたときは、無権代理行為とみなされるの(107条)。
代理人が、さらに別の人にお願いすることもできるのぉ?
できるわ。
それが復代理。
任意代理人は、本人の許諾があるとき、またはやむを得ない事由があるときに復代理人を選任できる。
復代理人は本人を代理するのであって、代理人の代理人ではない点に注意ね。
復代理人を選任しても、代理人自身の代理権は消滅しない、という点も押さえておきます。
確認クイズ
代理に関する記述として、妥当なものはどれか。
- 代理人が本人のためにすることを示さなかった場合、その意思表示は常に本人に対して効力を生じる
- 権限の定めのない代理人は、代理の目的物を自由に処分することができる
- 任意代理人は、本人の許諾を得たとき、またはやむを得ない事由があるときに、復代理人を選任することができる
- 復代理人を選任すると、代理人自身の代理権は消滅する
こたえを見る
正解: 3. 任意代理人は、本人の許諾を得たとき、またはやむを得ない事由があるときに、復代理人を選任することができる
選択肢3が正しい(民法104条)。選択肢1は誤り。顕名がなければ原則として代理人自身のためにしたものとみなされる(相手方が悪意・有過失なら本人に帰属)。選択肢2は誤り。権限の定めのない代理人は保存・利用・改良行為に限られ、処分はできない。選択肢4は誤り。復代理人を選任しても代理人の代理権は消滅しない。