だまされた・おどされて結んだ契約は取り消せます。ただし、詐欺と強迫では第三者の保護の厚さが違います。この差が択一で問われます。あわせて意思表示の効力発生時期も確認します。
先生、だまされて契約したのと、おどされて契約したの、どっちも取り消せるんだよね?
ええ、どちらも取り消せるわ(96条1項)。
でもね、詐欺と強迫では、まわりの第三者をどこまで守るかが違うの。
ここが最大のヤマよ。
詐欺による取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができません。
一方、強迫による取消しは、善意無過失の第三者にも対抗できます。
うぅ〜ん、なんで強迫のほうが強く守られるのぉ?
いい疑問ね、ましろちゃん。
だまされた人は『うかつだった』面が少しある。
でもおどされた人には落ち度がない。
だから強迫の被害者はより厚く保護されるの。
第三者がだました場合はどうなるの?
それが第三者による詐欺。
相手方以外の第三者にだまされたときは、相手方がその事実を知り、または知ることができたとき(悪意・有過失)に限って取り消せるわ。
強迫の場合はこの制限がなく、第三者による強迫でも常に取り消せますね。
そのとおり。
ここでも強迫のほうが被害者に有利になっているの。
ところで先生、契約の申込みって、いつ相手に効くのぉ?
それが到達主義よ。
意思表示は、その通知が相手方に到達した時から効力を生じるの(97条1項)。
改正で、相手方が正当な理由なく到達を妨げたときは、通常到達すべき時に到達したとみなされる規定も加わったわ。
表意者が発信後に死亡・意思能力喪失・行為能力の制限を受けても、意思表示の効力は原則として妨げられない、という点も押さえておきます。
確認クイズ
詐欺・強迫に関する記述として、妥当なものはどれか。
- 強迫による意思表示の取消しは、善意無過失の第三者に対抗することができない
- 第三者による詐欺の場合、相手方が善意無過失であっても取り消すことができる
- 詐欺による取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない
- 意思表示は、表意者が通知を発した時に効力を生じるのが原則である
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正解: 3. 詐欺による取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない
選択肢3が正しい(民法96条3項)。選択肢1は誤り。強迫による取消しは善意無過失の第三者にも対抗できる。選択肢2は誤り。第三者による詐欺は、相手方が悪意・有過失のときに限り取り消せる。選択肢4は誤り。意思表示は到達時に効力を生じる(到達主義・97条1項)。