法をめぐる争いに最終的な判断を下すのが裁判所です。司法権の範囲と限界、統治行為論、そして憲法の番人としての違憲審査制。裁判官の身分保障や裁判の公開もあわせて確認します。
裁判所ってどんな争いでも裁いてくれるの? どんなモメごとでも持ち込んでいいわけ?
そこには線引きがあるの。
裁判所が扱う司法権は、原則として具体的な法律上の争いを解決するもの。
単なる抽象的な疑問には答えないのよ。
さらに、高度に政治的な問題は裁判所の判断になじまないとする統治行為論という考え方もありますよね。
ええ。
高度な政治性をもつ国家行為については、たとえ法的な判断が可能でも、裁判所は判断を控えるという考え方ね。
司法権の限界のひとつよ。
裁判所は『憲法の番人』って呼ばれるって聞いたけど、それはどういうことなのぉ?
81条の違憲審査制のことね。
法律などが憲法に適合するかを裁判所が審査できる仕組み。
最高裁は、その終審裁判所なのよ。
ただし日本の違憲審査は、具体的な事件の解決に必要な範囲で行う付随的審査制だと解されていますよね。
事件と切り離して法律の合憲性だけを審査する仕組みではない、と。
そのとおり、そこが重要。
事件の解決に付随して憲法判断をする、というのが判例・通説の理解よ。
裁判官が誰かの顔色をうかがって判決を変えたら困るよね。
そこは守られてるの?
守られているわ。裁判官の身分保障ね。
裁判官は、心身の故障や公の弾劾などの場合を除いて、その意に反して辞めさせられないの。
独立して職権を行うための保障よ。
それに、裁判の公正を担保するため、対審と判決は原則として公開の法廷で行う裁判の公開も定められているのよ。
独立して、公開で。
裁判所が信頼されるための工夫が、いくつも重ねられてるんだね。
確認クイズ
裁判所に関する記述として、妥当なものはどれか。
- 日本の違憲審査制は、具体的事件と無関係に法律の合憲性のみを審査する仕組みと解されている
- 統治行為論とは、高度に政治性のある国家行為について司法審査になじまないとする考え方である
- 裁判官は、内閣の判断のみによって、いつでもその意に反して罷免することができる
- 裁判の対審および判決は、常に非公開で行われる
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正解: 2. 統治行為論とは、高度に政治性のある国家行為について司法審査になじまないとする考え方である
選択肢2が正しい。統治行為論は高度に政治的な国家行為を司法審査の対象外とする考え方である。選択肢1は誤りで、日本は付随的審査制と解される。選択肢3も誤りで、裁判官には身分保障があり意に反して罷免されない。選択肢4も誤りで、対審と判決は原則として公開される。