「その結論の根拠はどこにあるの?」――法的な答えのよりどころを法源といいます。成文法と不文法、慣習法や判例の位置づけ、そして複数のルールがぶつかったときの優先順位を整理します。
先生、質問があります。
裁判で『これが根拠です』と示すもとになるもの、つまり法源には、どんな種類があるのですか?
大きく二つね。
文章の形で制定された成文法と、条文の形をとらない不文法。
成文法には憲法・法律・命令・条例などがあるわ。
じゃあ……不文法っていうのは、書いてないのに法なのぉ?
文章化された法典がない、という意味よ。
代表が慣習法と判例。
長く繰り返された慣行が法的な確信を得ると、慣習法として通用することがあるの。
えーっ、じゃあルール同士がケンカしたらどうなるの? どっちが勝つか決まってないと困るじゃん?
ちゃんと交通整理のルールがあるわ。
まず、あとから作られた法が前の法を破る後法優先の原則。
そして、特定の場面に絞った特別法優先の原則。
この二つで優劣を決めるのよ。
つまり、時間の新しさで見るのが後法優先、適用範囲の狭さで見るのが特別法優先、という理解で合っていますか?
ええ、整理として完璧ね。
ただし特別法優先が後法優先に優先することが多い、という力関係もおさえておくといいわ。
法の効力……いつから効くか、っていうのも関係あるのぉ?
鋭いわね。
法は原則として施行の時から将来に向かって効力をもち、過去にさかのぼらないのが建前。
この不遡及の考え方は、後で人身の自由でもう一度出てくるわよ。
よっしゃ、根拠の引き出しが増えた感じ!
確認クイズ
法源と法の適用に関する記述として、妥当なものはどれか。
- 慣習法や判例は、成文法に分類される
- 同一の法形式どうしでは、先に成立した法が後に成立した法に優先する
- 成文法とは、文章の形で制定された法をいい、法律や条例がこれにあたる
- 法律は、原則として施行前の過去の事実にさかのぼって適用される
こたえを見る
正解: 3. 成文法とは、文章の形で制定された法をいい、法律や条例がこれにあたる
選択肢3が正しい。成文法は制定された文章形式の法で、法律・命令・条例などが該当する。選択肢1は誤りで、慣習法・判例は不文法である。選択肢2は誤りで、後法優先の原則により後に成立した法が優先する。選択肢4も誤りで、法は施行時から将来に向かって適用されるのが原則である。