法律の条文は、日常語と似て非なる独特の言葉づかいをします。「善意」「みなす」「その他の」「遅滞なく」――この意味を取り違えると正解を落とします。頻出の法令用語を一気に整理しましょう。
先生……この問題に『善意の第三者』って書いてあるけど、ましろ、優しい人のことかと思っちゃった。
えへへ。
かわいい勘違いね。
でも法律では違うの。善意はある事情を知らないこと、悪意はそれを知っていること。
道徳的な良い悪いは関係ないのよ。
次に迷いやすいのが推定するとみなすですよね。
私、ここは自信があります。
じゃあ説明してみて?
「推定する」は、反対の証拠を出せばくつがえせる仮の扱い。
「みなす」は、反証を許さず法律上そう扱うと決めてしまうもの。
完璧よ。
だからみなすは、たとえ事実と違っても法的にはそう扱われる、という強い言葉なの。
『その他』と『その他の』も似すぎてて、あたし無理〜。
何が違うのさ?
落ち着いて。
『Aその他のB』はAがBの一例、つまりAはBに含まれる関係。
『Aその他B』はAとBが並列で別物、という関係よ。
『の』が一文字あるかどうかで包含関係が変わるの。
うぅ〜ん、たった一文字で……日本語って奥深いのぉ。
時間の言葉もあったよね。
『直ちに』『速やかに』『遅滞なく』って、どれが一番急ぎなの?
急ぐ順に、直ちにが最も強く即時、次が速やかに、そして正当な理由があれば遅れも許される遅滞なく、という順ね。
あと『以上・以下』はその数を含み、『超える・未満』は含まない、これも定番よ。
「の」一文字、時間の三段階、基準値の含む含まない。
ここは知識として詰めれば確実に得点できますね。
確認クイズ
法令用語に関する記述として、妥当なものはどれか。
- 「みなす」は、反対の事実を証明すれば法律上の扱いをくつがえすことができる
- 「善意」とは、他人のために良かれと思って行動する道徳的な心情をいう
- 「Aその他のB」という表現では、AはBの一例としてBに含まれる
- 時間的要請の強さは、遅滞なく、速やかに、直ちにの順に強くなる
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正解: 3. 「Aその他のB」という表現では、AはBの一例としてBに含まれる
選択肢3が正しい。「その他の」は前の語が後の語に包含される例示の関係を示す。選択肢1は誤りで、反証を許さないのが「みなす」、覆せるのは「推定する」である。選択肢2も誤りで、法律上の善意は事情を知らないことをいう。選択肢4は順序が逆で、強い順は 直ちに>速やかに>遅滞なく である。