国家に対して「してほしい」と求める権利――それが社会権です。25条の生存権を中心に、その法的性質をめぐる考え方や、朝日訴訟・堀木訴訟、そして労働基本権を確認します。
自由権は『放っておいてほしい』権利だったよね。
社会権は……それと逆ってこと?
ましろちゃん、鋭いわね。
まさに逆向き。
社会権は国家に積極的な配慮を求める権利なの。
その代表が25条の生存権よ。
「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」ですよね。
ただ、この規定の性質については考え方が分かれると学びました。
ええ。
この25条を、国の努力目標を示したものと捉えるプログラム規定説という考え方があるの。
裁判で直接に給付を請求できる具体的権利ではない、という理解ね。
実際に、生活保護の中身をめぐってモメた裁判があったよね?
朝日訴訟ね。
何が最低限度の生活にあたるかの判断には、国に広い裁量が認められるという考え方が示されたの。
併給の調整が争われた堀木訴訟でも、どういう給付をどう組み合わせるかについて、立法府に広い裁量が認められたという理解で合っていますか?
ええ、そのとおり。
社会権の実現には予算や政策判断が絡むから、立法・行政の裁量が広く認められやすいのよ。
働く人を守る権利も、社会権の仲間なのぉ?
そうよ。
28条の労働基本権ね。
団結する権利、団体で交渉する権利、そして団体で行動する権利。
いわゆる労働三権が保障されているの。
一人だと弱くても、みんなで団結すれば対等に交渉できる、と。
チームプレーだね!
確認クイズ
社会権に関する記述として、妥当なものはどれか。
- 生存権は自由権に分類され、国家に積極的な作為を求める性質をもたない
- 労働基本権として、団結権・団体交渉権・団体行動権が保障されている
- 判例は、最低限度の生活の具体的な内容について、国に裁量の余地は一切ないとした
- 労働三権には、団体で行動する権利は含まれない
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正解: 2. 労働基本権として、団結権・団体交渉権・団体行動権が保障されている
選択肢2が正しい。28条は団結権・団体交渉権・団体行動権を保障する。選択肢1は誤りで、生存権は社会権であり国家に積極的配慮を求める。選択肢3も誤りで、朝日訴訟などは最低限度の生活の判断に広い裁量を認めた。選択肢4も誤りで、団体行動権は労働三権に含まれる。