憲法に明文のない「新しい人権」は、どこから導かれるのでしょうか。その受け皿が13条の幸福追求権です。プライバシー権や肖像権を、判例を手がかりに考えます。
先生、プライバシーって言葉、憲法のどこに書いてあるのぉ? 探しても見つからなくて……
よく探したわね。
実は明文はないの。
でも社会の変化で新しく必要になった権利は、13条の幸福追求権を根拠に導かれると考えられているのよ。
つまり13条は、個別の人権規定でカバーしきれない新しい人権の受け皿になっている、という理解で合っていますか?
そのとおり。
プライバシー権や肖像権などが、この幸福追求権から導かれる代表例ね。
肖像権! あたし、勝手に写真撮られるの超イヤなんだけど、あれって権利で守られてるの?
守られているわ。
判例は、承諾なしにみだりに容ぼう等を撮影されない自由を認めたの。
デモ行進を警察が撮影した京都府学連事件での判断よ。
ただし、その自由も絶対ではなく、正当な理由があれば撮影が許される場合もあった、と記憶しています。
ええ、そこが大事。
権利はあるけれど、犯罪捜査など相応の必要性があれば制約されうる、という枠組みなのよ。
自分の情報を、むやみに知られたくないよね……前科みたいなのも、そうなのぉ?
ましろちゃん、いいところに気づいたわ。前科照会事件では、前科などをみだりに公開されない利益が保護されるべきものとされたの。
慎重な取扱いが求められる情報なのよ。
自分のことを自分でコントロールする権利、かぁ。
なんか大事だね。
確認クイズ
幸福追求権とプライバシーに関する記述として、妥当なものはどれか。
- プライバシー権は憲法に明文で規定されており、条文上の権利である
- 判例は、承諾なしにみだりに容ぼう等を撮影されない自由を、何らの制約も受けない絶対的権利とした
- 新しい人権は、憲法13条の幸福追求権を根拠に導かれると解されている
- 前科に関する情報は、公的な記録であるから常に自由に公開してよい
こたえを見る
正解: 3. 新しい人権は、憲法13条の幸福追求権を根拠に導かれると解されている
選択肢3が正しい。プライバシー権など新しい人権は13条の幸福追求権を根拠とする。選択肢1は誤りで、プライバシー権に明文はない。選択肢2は誤りで、京都府学連事件はこの自由を認めつつ絶対無制限とはしていない。選択肢4も誤りで、前科等はみだりに公開されない利益として保護される。