人権は「誰の」ためのものでしょうか。日本国民だけ? 会社のような法人は? 子どもは? 外国人・法人・未成年者への人権の適用を、判例の考え方とともに確認します。
人権って国民の権利でしょ? じゃあ外国人には無いの? それはさすがにかわいそうじゃん?
やさしい視点ね。
判例は、権利の性質上日本国民のみを対象とすると解されるものを除いて、外国人にも人権の保障が及ぶとしているのよ。
それがマクリーン事件の判断ですよね。
外国人にも人権保障は及ぶけれど、在留の可否は国の裁量に委ねられている、という枠組みだったと記憶しています。
よく覚えていたわね。
保障は及ぶ、でも在留期間の更新を認めるかどうかは別問題――ここがこの判例のキモよ。
会社って人じゃないよね? 会社にも人権があるって、なんだか不思議なのぉ。
面白いところをつくわね。
判例は、性質上可能なかぎり法人にも人権の保障が及ぶとしているの。
会社が政治献金をした事件で、そう判断されたわ。
八幡製鉄事件ですね。
会社にも政治的行為の自由が認められ、政治献金も一定の範囲で許される、という結論でした。
へぇ〜! じゃあ、あたしたちみたいな未成年は? 大人と全部同じ?
未成年者にも人権は保障されるわ。
ただ、心身の発達の途上にあることを理由に、成人よりも広く制約が認められる場面がある、という点はおさえておいて。
うぅ〜ん、外国人も、会社も、子どもも。
人権の傘って、思ったより大きく広がってるんだね。
傘の下は広い、と。
よし、覚えた!
確認クイズ
人権の享有主体に関する記述として、妥当なものはどれか。
- 人権は日本国民のみを対象とし、外国人には一切保障が及ばない
- 判例は、権利の性質上可能な限り、法人にも人権の保障が及ぶとしている
- 外国人には、在留期間の更新を当然に認められる権利が憲法上保障されている
- 未成年者は人権の享有主体ではなく、成人となって初めて人権を取得する
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正解: 2. 判例は、権利の性質上可能な限り、法人にも人権の保障が及ぶとしている
選択肢2が正しい。判例は性質上可能な限り法人にも人権保障が及ぶとする(八幡製鉄事件)。選択肢1は誤りで、外国人にも性質上可能な人権は保障される(マクリーン事件)。選択肢3も誤りで、在留の更新を認めるかは国の裁量に委ねられる。選択肢4も誤りで、未成年者も人権の享有主体である。