行政手続法の総仕上げです。行政指導のルール、届出の到達主義、そしてパブリックコメントと呼ばれる意見公募手続。数字が出てくる分野でもあるので、30日という期間は確実に押さえましょう。
ちょっと待って。
行政指導って断っていいんだよね? じゃあ法律に書くことなんてあるの?
断れるはずなのに断れない。
そういう現実があったからこそ、行政手続法は第4章でルールを置いたのよ。
32条の一般原則。
行政指導は所掌事務の範囲を逸脱してはならず、あくまで相手方の任意の協力によってのみ実現される。
そして、指導に従わなかったことを理由に不利益な取扱いをしてはならないわ。
33条と34条は、より具体的な場面ですね。
33条は申請に関連する行政指導。
申請者が従う意思がない旨を表明したにもかかわらず指導を続けて、申請の権利行使を妨げてはならない。
34条は許認可等の権限に関連する行政指導。
権限を行使しうる旨を殊更に示して、指導に従うことを余儀なくさせてはならないわ。
「その気になれば許可を取り消せるんですよ」ってちらつかせるの、だめなんだね。
そのとおり。
35条の行政指導の方式も大事よ。
行政指導に携わる者は、その趣旨、内容、そして責任者を明確に示さなければならないの。
口頭で行われた場合はどうなりますか。
相手方から書面の交付を求められたときは、行政上特別の支障がない限り、これを交付しなければならないわ。
ただし、その場で完了する行為を求める場合や、すでに文書で通知した事項と同じ内容を求める場合は、交付は不要よ。
求められたら、なんだね。
何も言わなくても勝手にくれるわけじゃないのか。
よく読めているわ。
36条は、同一の目的で複数の者に行政指導をするときの行政指導指針。
あらかじめ指針を定めて、行政上特別の支障がない限り、公表しなければならないわ。
近年の改正で加わった規定もありますね。
36条の2の行政指導の中止等の求めと、36条の3の処分等の求めね。
ここは主体の違いが命よ。
中止等の求めができるのは、法令違反行為の是正を求める行政指導で、根拠規定が法律に置かれているものの相手方。
つまり、指導を受けた本人だけ。
これに対して処分等の求めは、何人もできるの。
法令違反の事実があるのに是正のための処分や行政指導がされていないと思うとき、権限を持つ行政庁等に申し出て、処分や指導をするよう求められるわ。
えへへ、片方は「わたしにやめて」、もう片方は「あの人にやって」なんだね。
その対比、そのまま暗記に使えるわね。
どちらも、行政機関は必要な調査を行い、必要があると認めるときは措置をとらなければならないわ。
37条の届出も確認させてください。
形式上の要件に適合している届出が、法令により提出先とされている機関の事務所に到達したときに、届出の義務が履行されたものとされるの。
役所が受け取るかどうかは関係ない。
到達主義よ。
最後がパブコメだね!
意見公募手続ね。
命令等制定機関は、命令等を定めようとするときは、その案と関連資料をあらかじめ公示して、広く一般の意見を求めなければならない。
意見提出期間は、公示の日から起算して30日以上よ。
30日を下回ることはできないのですか。
やむを得ない理由があるときは可能。
ただし、その理由を案の公示の際に明らかにしなければならないわ。
そして命令等の対象には、政令や省令だけでなく、審査基準・処分基準・行政指導指針も含まれる点に注意して。
提出された意見は、どのように扱われますか。
十分に考慮しなければならない。
ただし、意見に法的に拘束されるわけではないの。
命令等を定めたときは、公布と同時期に、提出意見とそれを考慮した結果および理由を公示する必要があるわ。
確認クイズ
行政手続法における行政指導および意見公募手続に関する記述として、妥当なものはどれか。
- 意見公募手続における意見提出期間は、命令等の案の公示の日から起算して、原則として30日以上でなければならない。
- 意見公募手続の対象となる命令等には、政令や省令は含まれるが、審査基準および処分基準は含まれない。
- 命令等制定機関は、意見公募手続により提出された意見に法的に拘束され、これに沿った内容の命令等を定めなければならない。
- 行政指導の中止等の求めは、当該行政指導の相手方に限らず、何人もこれを行うことができる。
こたえを見る
正解: 1. 意見公募手続における意見提出期間は、命令等の案の公示の日から起算して、原則として30日以上でなければならない。
選択肢1が正しい。意見公募手続における意見提出期間は、公示の日から起算して30日以上とされている。ただし、30日以上の期間を定めることができないやむを得ない理由があるときは、これを下回る期間を定めることができ、その場合は案の公示の際に理由を明らかにしなければならない。選択肢2は誤り。命令等には、法律に基づく命令・規則のほか、審査基準、処分基準、行政指導指針が含まれる。選択肢3は誤り。命令等制定機関は提出意見を十分に考慮しなければならないが、これに法的に拘束されるわけではない。選択肢4は誤り。何人も行えるのは36条の3の処分等の求めであり、36条の2の中止等の求めは、当該行政指導の相手方に限られる。