審査請求書を出したあと、実際にどう審理が進むのか。審理員が主宰し、弁明書と反論書が飛び交い、申立てがあれば口頭で意見を述べる機会が与えられます。手続の流れを順番に追いかけましょう。
審査請求を出した! ……そのあとは、どうなるの?
審査庁がまず審理員を指名するわ。
審査庁に所属する職員のうちから選ばれて、この人が審理手続を仕切るの。
審査庁の職員なのですか。
それでは処分をした担当者が自分の処分を審理することもあり得るのでは。
そこは封じてあるわ。
処分に関与した者や審査請求人本人などは、審理員になれないの。
除斥のルールね。
審理員さんは、まず何をするの?
処分庁に対して相当の期間を定めて弁明書の提出を求めるの。
処分庁が「この処分は正しい、理由はこうだ」と述べる書面ね。
それに対して審査請求人が反撃する書面が反論書、ということですね。
そう、反論書よ。
審理に参加した参加人は意見書を出せるわ。
書面のやりとりが基本——つまり書面審理主義が原則なの。
え、口で言えないの? あたし、書くより喋るほうが得意なんだけど。
安心して。口頭意見陳述があるわ。
審査請求人や参加人から申立てがあったときは、審理員は口頭で意見を述べる機会を与えなければならないの。
原則として拒めない、必要的手続よ。
よっしゃ、それなら戦える!
しかも口頭意見陳述の場では、申立人は審理員の許可を得て、処分庁等に対して直接質問を発することができます。
ここは覚えておく価値があります。
そのとおり。
証拠面も充実しているわ。
審査請求人や参加人は証拠書類・証拠物を提出でき、審理員のほうも職権で物件の提出要求、参考人の陳述や鑑定の要求、検証などができるの。
相手が出した書類、見せてもらえるのかな。
見えないまま反論するのは、ちょっと怖いよね。
いいところに気づいたわね。
審理手続が終結するまでの間、審査請求人と参加人は提出書類等の閲覧や写しの交付を求めることができるの。
審理員は正当な理由がなければ拒めないわ。
関連する事件が複数あるときは、まとめて審理できるのですか。
できるわ。
審理員は必要があると認めれば、職権で審理手続の併合や分離ができるの。
最後に審理を終結し、審理員意見書を作って事件記録とともに審査庁に提出する。
ここまでが審理員の仕事ね。
確認クイズ
行政不服審査法上の審理手続に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
- 審理員は、審査請求に係る処分に関与した職員のうちから指名しなければならない。
- 口頭意見陳述は、審理員が必要と認めた場合に限り行われ、審査請求人に申立権はない。
- 審査請求人は、審理手続が終結するまでの間、審理員に対し提出書類等の閲覧を求めることができる。
- 審理手続の併合は、審査請求人全員の同意がなければ行うことができない。
こたえを見る
正解: 3. 審査請求人は、審理手続が終結するまでの間、審理員に対し提出書類等の閲覧を求めることができる。
選択肢3が妥当。審査請求人および参加人は、審理手続が終結するまでの間、審理員に対して提出書類等の閲覧や写しの交付を求めることができ、審理員は正当な理由がなければ拒めない。選択肢1は誤り。処分に関与した者は審理員になることができない。選択肢2は誤り。口頭意見陳述は審査請求人・参加人の申立てがあれば機会を与えなければならない必要的手続である。選択肢4は誤り。審理手続の併合・分離は、審理員が必要と認めるときに職権で行うことができる。