ここから会社法。まずは器の話です。会社法が認める会社は4種類。社員が会社の借金にどこまで責任を負うか、という一点で性格が大きく変わります。会社の権利能力の限界もあわせて確認します。
会社法上の会社は4種類。
株式会社と、合名会社・合資会社・合同会社。
後の3つをまとめて持分会社と呼ぶわ。
ちょっと待って、有限会社は? おばあちゃんの近所に「有限会社◯◯商店」ってあるよ。
現行の会社法では新しく作れないの。
既存のものは特例有限会社として存続しているけれど、会社法が定める会社は4種類。
選択肢に有限会社が混ざっていたら疑ってね。
区別の軸は社員の責任ですね。
ここでの「社員」は従業員ではなく出資者を指します。
そう、そこは毎年のように狙われるわ。
合名会社は無限責任社員のみ。
合資会社は無限責任社員と有限責任社員の両方。
合同会社は有限責任社員のみ。
うぅ〜ん、無限責任って…会社のお金が足りなかったら、自分のお財布から全部払うということ?
そのとおり。
しかも会社債権者から直接請求される。
これが直接無限責任。
だから信用力は高いけれど、リスクも大きいの。
それに対して株式会社の株主は、その有する株式の引受価額を限度とする責任にとどまりますね。
会社にお金を払い込めば、あとは債権者から直接請求されない。間接有限責任です。
要は、株を買ったお金が消えるのが最悪ケースってこと? だったら安心して出資できるじゃん?
その安心が、多くの人からお金を集める仕組みを支えているの。
だから株式会社は大規模事業に向いている。
反面、債権者保護のために資本や配当の規制が細かく置かれるわ。
合同会社も有限責任なのに、株式会社とは何がちがうのぉ?
持分会社は内部関係を定款で自由に設計できるのが強み。
原則として社員全員が業務を執行するし、機関設計の縛りもない。
ただし持分の譲渡には原則として他の社員全員の承諾が必要よ。
人的信頼を基礎にする組織だから、勝手にメンバーが入れ替わらない仕組みなのですね。
整理が早いわね。
もうひとつ、会社の権利能力。
会社は定款所定の目的の範囲内で権利能力を有するけれど、判例は目的遂行に必要な行為も広く含めていて、政治献金についても客観的・抽象的に目的の範囲内としているわ。
つまり「目的の範囲外だから無効!」ってのは、そう簡単には認められないんだね。
確認クイズ
会社の種類および社員の責任に関する記述として、妥当なものはどれか。
- 合資会社は、有限責任社員のみによって構成される持分会社である。
- 合同会社の社員は、会社債権者に対して直接無限の責任を負う。
- 株式会社の株主は、その有する株式の引受価額を限度として責任を負うにとどまる。
- 会社法上の会社には、株式会社、合名会社、合資会社、合同会社および有限会社の5種類がある。
こたえを見る
正解: 3. 株式会社の株主は、その有する株式の引受価額を限度として責任を負うにとどまる。
選択肢3が正しい。株主の責任は、その有する株式の引受価額を限度とする(間接有限責任)。選択肢1は誤り。合資会社は無限責任社員と有限責任社員の双方で構成される。選択肢2は誤り。合同会社の社員は有限責任社員のみである。選択肢4は誤り。会社法上の会社は株式会社・合名会社・合資会社・合同会社の4種類であり、有限会社は現行法では新設できない。